江戸中期になると、西洋の天文学を紹介する本も現れ、暦学に限らない一般的な天文学や天文観測が認知されるようになった。国内で望遠鏡も作られるようになり、その代表的なものが、
ここでは、岩橋善兵衛が天文学の入門書として書いた書物と、
天文学早わかり入門書として出版された。提示した部分は天体観測用の望遠鏡の図で、善兵衛が作った最初の望遠鏡は丸筒でなく、
岩橋善兵衛 (1756-1811) は今の大阪府貝塚市の出身。寛政五年(1793)、最初の望遠鏡を完成させた。その後、何本もの望遠鏡を作ったが、伊能忠敬記念館他に5本が現存する。
寛政五年に岩橋善兵衛が望遠鏡を作り、京都在住の橘南谿(橘春暉)に持参した。そこで望遠鏡をとおして見た天体のスケッチを描いた。この写本の月や惑星のスケッチは貝塚市立善兵衛ランド に展示されている同題の写本と多少異なる。
橘南谿 (1753-1805) は京都の医師・文化人。
この本は天文・気象などにまつわる諸説を游子六の『天経或問』などから吟味、適宜蘭書で補ったものである。とくに地動説については、コペルニクスの漢訳名を刻白爾 (本来はケプラーをさす) としてはいるものの、自身の見解も交えつつ絶賛している。
司馬江漢 (1747-1818) は画家・蘭学者で、銅版画を創ったことで著名。彼の『天球全図』は日本で初めての西洋星図として有名。
この『方円星図』は、文政九年に刊行された星図で、作者は
星図は縦横1度の目盛の方図に、赤道を挟んで南北60度までの範囲で6等級までの星が描かれている。石坂の自序によると、文政元年に『