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惑星現象

1989年8月,12年前に打ち上げられたボイジャー2号が海王星に最接近し,新しい海王星の姿を映像として送ってきた.いままで,土星にしか環がないと考えられてきたが,木星についで,天王星,海王星にもあることがはっきりした.このように惑星探査機から,よりくわしい惑星の像が私たちの前に示された.

一般には惑星のうち,水星,金星,地球,火星を内惑星と呼ぶが,この年表では,水星,金星を内惑星,地球の外側に位置している火星,木星,土星,天王星,海王星,冥王星を外惑星としている.火星と木星の間には小惑星があり,古くから知られているのにセレス,パラス,ジュノー,ベスタがある.現在,約4100個の小惑星の軌道が確定されている.これらに彗星を加えて太陽系を形成している.

惑星の満ち欠け

惑星は太陽の光の反射によって見えるので,地球から見て惑星は月と同じように,満ち欠けがある.太陽と地球の間に金星がくる内合の時,距離は地球から最も近いが地球から見えるのは影の方で暗い.金星の最大光度は,その前後の金星が欠けて見える頃であり,金星が丸く見える時には.地球から遠くなり,光度は落ちてしまう.一方,外惑星である火星は地球最近の頃が最も明るい.また,地球から見て太陽から最も離れる内惑星の最大離角には東方と西方とあり,内惑星を観測するのには適している.外惑星では太陽と反対の位置にくるの時が観測しやすい.これらは年表の惑星現象に日時と現象をしめした.

惑星の会合周期

会合周期は,太陽から見て地球と他の惑星が同じ方向にくる平均的周期であり,水星が115.9日,金星は583.9日,火星は779.9日で,金星の最大光度は内合をはさんで数か月の間に2回見られるが,その後は1年半後くらいになる.火星の地球最近は2年少しで巡ってくるが,同じ地球最近でも地球との距離の違いにより明るさが違う.木星,土星,天王星,海王星,冥王星は,それぞれ398.9,378.1,369.7,367.5,366.7日なので,惑星現象は,ほぼ例年同じような現象を見ることができる.

水金地火木土天海冥とは,太陽からの平均距離の近い傾から順番に並べた惑星の頭文字であるが,冥王星は,離心率が大きく,太陽からの距離が 44.422× 108 〜 73.880 × 108 km まで変化するので,冥王星の方が海王星よりも内側にくることがある.1979年前半に冥王星の方が内側になって,再び冥王星が外側になるのは1999年の前半になる.

惑星の法則

ところで,1600年代の初め,ケプラーは火星の観測から惑星の法則を見つけ,ガリレオは望遠鏡による初めての天体観測を行なった.その後,地道な観測の積み重ねと,理論の発展によって,さらに観測技術と時計の進歩により格段の精密さで惑星の暦が作られてきている.惑星探査機による映像はその歴史の結実でもある.

今晩,空を見上げてみよう.夕方か明け方の空に輝く金星,赤っぽく見える火星や土星,中天高く一層明るい木星,きっと感激することだろう(年表:水星,金星,火星,木星,土星,天王星,海王星,冥王星の項に各惑星の出,南中,入りの時刻を記載).

暦象年表1991より

備考

注) この記事の後,2006年の国際天文学連合第26回総会において惑星の定義が採択された.観測技術の進歩によって次々に新しい天体が発見され,より詳しくわかってきた太陽系の姿を反映したものとなっている.この定義によって冥王星,セレスは準惑星となり,冥王星を太陽系外縁天体の新しい種族の典型例として,冥王星型天体という分類ができた.また文中の「軌道の確定した小惑星」は,2007年7月に16万個を超えている.