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月の公転運動
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用語解説
暦Wiki
最北と最南
†
月は地球の周りを公転しており、月の
赤緯
はそれに伴って変化します。
最も北寄りの状態を最北、最も南寄りの状態を最南といい、公転周期の約27.3日で繰り返します。
最北
月が最も北寄りとなる状態。赤緯の極大。
太陽でいえば夏至に相当します。
月の出入りが最も北寄りになります。
北半球では南中高度が最も高くなります。
最南
月が最も南寄りとなる状態。赤緯の極小。
太陽でいえば冬至に相当します。
月の出入りは最も南寄りになります。
北半球では南中高度が最も低くなります。
最北や最南は月赤緯の極大極小ですから、
その前後では、月の南北方向の動きが止まる、あるいは月の出入り方位の変化が止まるように見えます。
このため、とくに考古学の分野などではLunar standstillと呼ばれることもあります。
最北や最南における赤緯は、
月軌道の赤道に対する傾き
によって変化します。
月軌道の赤道に対する傾き
†
月の軌道はわずかながら黄道に対して傾いており、かつ、
その方向は18.6年の周期で回転
します。
このため、月軌道の赤道に対する傾きは、昇交点方向の回転にあわせて変動することになります。
これに伴い、最北や最南における月の赤緯も変動します。
傾く方向が同じとき (2006年、2025年、・・・)
赤道に対する月軌道の傾きが大きくなります。
黄道の傾き+黄道に対する月軌道の傾き〜23.4°+5.1°ほど。
最北と最南の赤緯差は大きくなります。
南中高度の変動幅
が大きくなります。
出入り方位の変動幅
が大きくなります。
Major (Lunar) Standstill と呼ばれることもあります。
傾く方向が逆のとき (1997年、2015年、・・・)
赤道に対する月軌道の傾きが小さくなります。
黄道の傾き−黄道に対する月軌道の傾き〜23.4°−5.1°ほどになります。
最北と最南の赤緯差は小さくなります。
南中高度の変動幅
が小さくなります。
出入り方位の変動幅
が小さくなります。
Minor (Lunar) Standstill と呼ばれることもあります。
関連ページ
†
月の公転運動/昇交点方向
月の出入りと南中/出入り方位
月の出入りと南中/南中高度
赤道座標系