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ユダヤ暦 (Jewish Calendar)†
- 太陰太陽暦の1種です。
- 新年は秋分ごろの新月になります。
- 年は創世紀元によって数えます。
- うるう月は19年に7回=メトン周期の頻度で、第6月の後=春分ごろに挿入します。
- 月の初めは朔ではなく、三日月状の細い月が最初に見える日からになります。
- 1日は日の入り(18時)に始まり、日の入りに終わります。ユダヤ暦のほうが先に日付が変わります。
ユダヤ暦の決定法†
- 現代では観測ではなく、平均的な月の満ち欠けといくつかの調整により決定する変則的なこよみになっています。
- 平均的な月の満ち欠けにより決定される時刻をmoladといいます。
- 平均的な月の満ち欠け=1か月の長さは、29日 12 hr 793 hk=29.530594日としています。
- ここで、1日=24 hr、1 hr=1080 halakim (hk)です。
- 初期値は創世紀元 A.M.1 Tishrei 1の5 hr 204 hk=ユリウス暦 紀元前3761年10月7日 23時11分20秒です。
- 時刻は18時を基点、すなわち0 hr 0 hkとしています。
- 各年の年初のmoladは、これに平均的な月の満ち欠け×含まれる月の数を加えて求めます。
- 平年は12か月で354日 8 hr 876 hk、うるう年は13か月で383日 21 hr 589 hkを加えます。
- 19年=235か月で6939日 16 hr 595 hkとなりますから、1年の長さの平均値は365.24682日となります。
- うるう年は19年周期の3,6,8,11,14,17,19年目です。
- 基本的にはこのmoladの日が各年の年初=Tishrei 1日となりますが、ほかにもいくつか調整が入ります。
- 調整の結果、1年の日数は平年・うるう年共に3通りにわかれます。
年 | 少ない年 | 通常 | 多い年 |
平年 | 353 | 354 | 355 |
うるう年 | 383 | 384 | 385 |
- 年初と日数が決まれば、各月の日数も決まります。
- 基本的には各月の長さは固定です。
- 1年の日数の多い年には第2月Heshvanを30日とします。
- 1年の日数の少ない年には第3月Kislevを29日とします。
- うるう年には第6月Adarを30日とし、その後に29日のうるう月を加えます。
月 | 名称 | 日数 |
1 | Tishrei | 30 |
2 | Heshvan | 29 |
3 | Kislev | 30 |
4 | Tevet | 29 |
5 | Shevat | 30 |
6 | Adar | 29 |
月 | 名称 | 日数 |
7 | Nisan | 30 |
8 | Iyyar | 29 |
9 | Sivan | 30 |
10 | Tamuz | 29 |
11 | Av | 30 |
12 | Elul | 29 |
年初=Tishrei 1日の調整ルール†
- 年初のmoladが日曜・水曜・金曜にあたる場合は、年初は翌日に延期します。
- 宗教的な行事と安息日がかち合わないようにするための処置です。
- 年初のmoladが18 hr 0 hk、すなわち正午より後の場合、年初は翌日に延期します。
- 先のルールにより、翌日が日曜・水曜・金曜にあたる場合はさらに翌日に延期します。
- これはmoladが夕方に近すぎて、まだ月は見えないということを反映したルールです。
- 平年かつ年初のmoladが火曜日の9 hr 204 hk以後の場合、年初は翌水曜日に延期し、さらに最初のルールにより木曜日に延期されます。
- 翌年の年初のmoladは土曜日の18 hr 0 hk以後となり、先のルールで月曜日まで延期されます。これでは1年が356日となってしまいますから、それを防ぐために延期します。
- うるう年に続く平年かつ年初のmoladが月曜日の15 hr 589 hk以後の場合、年初は翌日に延期します。
- 前年の年初のmoladは火曜日の18 hr 0 hk以後となり、先のルールで木曜日まで延期されます。これでは1年が382日となってしまいますから、それを防ぐために延期します。
関連ページ†
Last-modified: 2014-08-26 (火) 10:18:36