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協定世界時†
- 元来は1日を24等分して1時間、1時間を3600等分して1秒となるわけですが、
- 1秒の長さが原子時により正確に定まると、今度は逆に、1日=24時間=86400 SI秒ではなくなります。
- ここでいう1日とは地球の自転によって決まる1日、より正確には世界時(UT1)で数えた1日 (LOD; Length of Day) です。
- 2010年代の1日は概ね24時間よりも1ミリ秒ほど長くなっていました。1ミリ秒=10-6秒、1ミリ秒×365日=0.365秒ですから、2〜3年で1秒の違いになります。

- このままでは地球の自転にもとづく時刻と時計の針が指す時刻との間にずれが生じてしまいますから、うるう秒を使って調整します。
- この、国際原子時にうるう秒を加えた時刻系を協定世界時 (UTC; Universal Coordinated Time) といいます。
- うるう秒はUT1-UTCが±0.9秒以内になるように、6月末または12月末 (第2候補として3月末または9月末) に挿入または削除します。
- うるう秒がいつ入るかは国際地球回転・基準系事業中央局の出すBulletin C (IERS
) に掲載されています。

- 2020年ごろの1日はほぼ24時間であり、うるう秒による調整は必要のない状態が続いています。
- 協定世界時に9時間を加えたものが中央標準時 (日本標準時、日本時) です。
- うるう秒挿入の是非には異論も多く、うるう秒を続けるか否か議論が進められています。
(旧)協定世界時†
- 1960年に暦表時が採用されたものの、暦表時の確定には数年かかります。
- 日常の時刻には地球の自転をもとにする世界時(UT2)が使われていました。
- 一方、そのころ原子時計の運用も進んでおり、原子時をもとにUT2へ近づけた時刻系が作られました。これが(旧)協定世界時と呼ばれる時刻系です。
- (旧)協定世界時では周波数オフセットによる秒の長さの調整と、0.1秒(当初は0.05秒)単位の段階調整により、原子時計の進みをUT2に近づけます。
- 1967年に原子秒が1秒の定義として採用され、1971年に国際原子時が採用されると、1972年からは現在のうるう秒方式に変更されました。
- 1972年1月1日の時点でUTC−TAI=−10秒、以後うるう秒が挿入されるたびに1秒ずつ差が大きくなっていきます。
関連ページ†