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暦Wiki

(旧)協定世界時 †

1960年に暦表時が採用されたものの、暦表時の確定には数年かかります。
- 日常の時刻には、地球の自転をもとにする世界時(UT2)が使われていました。
- 一方、原子時計の運用も進み、原子時(AT)をもとにUT2へ近づけた時刻系が作られました。これが(旧)協定世界時と呼ばれる時刻系です。
(旧)協定世界時では、従来の時刻系との連続性や調整の手間等を勘案し、周波数オフセットと段階調整が採用されました。
- しかし、1秒の長さが変わることに対する不満は大きく、1972年より、うるう秒方式の協定世界時へ移行しました。

周波数オフセットと段階調整†

(旧)協定世界時では、周波数オフセットと段階調整により、UT2-UTCが概ね±0.1秒以内になるよう維持されます。
- 周波数オフセット (offset-frequency adjustment)
  - 秒の長さをUT2の進みにあわせて調整するものです。
  - 必要に応じて、1月1日のUT 0時に行われます。
- 段階調整 (step-time adjustment)
  - 0.1秒 (当初は0.05秒) 単位で、UT2-UTCが±0.1秒になるよう調整するものです。
  - 必要に応じて、各月1日のUT 0時に行われます。
いつ、どのような調整を行うかは、BIHがアナウンスします。
うるう秒方式への移行にあたり、
- 周波数オフセットは0、すなわち協定世界時の1秒は国際原子時の1秒と同じ長さになりました。
- UTC－TAI＝－10秒となるよう端数を調整しました。以後は1秒単位の段階調整＝うるう秒のみとなります。

調整値一覧†

日付 (0^hUT)	周波数オフセット	段階調整[s]	AT(TAI)-UTC[s]
1961-01-01	-150×10^-10		1.4228180 + (JD - 2437300.5) × 0.001296
1961-08-01	-150×10^-10	+0.050	1.3728180 + (JD - 2437300.5) × 0.001296
1962-01-01	-130×10^-10		1.8458580 + (JD - 2437665.5) × 0.0011232
1963-11-01	-130×10^-10	-0.100	1.9458580 + (JD - 2437665.5) × 0.0011232
1964-01-01	-150×10^-10		3.2401300 + (JD - 2438761.5) × 0.001296
1964-04-01		-0.100	3.3401300 + (JD - 2438761.5) × 0.001296
1964-09-01		-0.100	3.4401300 + (JD - 2438761.5) × 0.001296
1965-01-01		-0.100	3.5401300 + (JD - 2438761.5) × 0.001296
1965-03-01		-0.100	3.6401300 + (JD - 2438761.5) × 0.001296
1965-07-01		-0.100	3.7401300 + (JD - 2438761.5) × 0.001296
1965-09-01		-0.100	3.8401300 + (JD - 2438761.5) × 0.001296
1966-01-01	-300×10^-10		4.3131700 + (JD - 2439126.5) × 0.002592
1968-02-01	-300×10^-10	+0.100	4.2131700 + (JD - 2439126.5) × 0.002592
1972-01-01	0	-0.1077580	10

歴史†

1963年のCCIR勧告 (Recommendation 374 )：(旧)協定世界時
- 1964年のIAU勧告 (IAU 1964 )
- 1966年のCCIR勧告 (Recommendation 374-1 )：調整ルールの明記。
- 1967年のIAU Commission 4/31 勧告 (IAU 1967 )
1972年うるう秒方式の協定世界時へ。

関連ページ†

Last-modified: 2022-08-01 (月) 15:38:01