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国際原子時 (International Atomic Time; TAI)†
- セシウム133の放つ光*1は1秒間に9,192,631,770回振動します。
- 逆にそれだけ振動するのにかかる時間が1秒であると考えることもできます。これを原子秒(Atomic second)と呼び、原子秒を積算して数えた時刻を原子時(Atomic time; AT)といいます。
- この振動はきわめて安定であるため、1967年の国際度量衡総会では、暦表秒のかわりに原子秒を国際単位系の1秒の定義として採用しました (BIPM )。
- 原子秒の長さは暦表秒の長さにあうように定義されたので、やはり当時の平均太陽時の1秒とはズレがあります。
- 国際原子時
- 世界中の原子時を刻む時計数百個を荷重平均し、1958年1月1日0時にUT2と一致するような時刻系です。
- 一般相対性理論によれば、重力が強いと時計の進みは遅くなります。
- 人工衛星の受ける重力は地表よりも小さいので、人工衛星に搭載された原子時計の進みは地表の時計よりも速くなります*2。
- 一般的な標高程度では違いはわずかですが、原子時計の示す値は精密であり、この違いを考慮する必要があります。
- 国際原子時では、あらかじめ各原子時計の進みをジオイド上での進みに補正することになっています (BIPM )。
- 1967年のCGPM勧告 (BIPM ):原子秒の定義
- 1967年のIAU勧告 (IAU 1967 ):原子時は1958年1月1日0時にUT2と近似的に一致。
- 1970年のCCDSによるTAIの定義 (BIPM )
- 各研究機関の原子時計にもとづき、BIHが確定する。
- 当面のルール策定 (BIPM )
- 1971年のCGPM勧告 (BIPM ):国際原子時の採用、定義はCIPMにゆだねる。
- 1980年のCCDSによるTAIの定義精密化 (CCDS ):ジオイド上で定義
- 1988年 BIH解散に伴い、TAIの維持管理はBIPMへ移行。
- 1991年のIAU勧告 (IAU ):地球時との関係
- 2018年のCGPM勧告 (BIPM ):TAIとUTCの定義を再確認。
関連ページ†
より厳密には、基底状態にある超微細準位間の遷移に対応する放射->
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人工衛星は地表に対して運動しているので逆に時計の進みが遅くなる効果も働きます。しかし、重力効果の方が影響が大きいため、差し引きでは速くなります。->
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Last-modified: 2022-08-01 (月) 10:12:49