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月の自転†
自転は公転に同期している†
- 地球の自転が時計代わりになるように、月も基本的にはほぼ一定の速度で自転しています。
- 平均値は月の公転と平均的にそろうように13.176[°/日]、ばらつきは13.1745〜13.1785[°/日]程度しかありません。
- 自転速度の変動周期は公転周期と一致します。
- これは月が楕円軌道を運動し、公転速度が変化するためです。
- 自転速度はあまり変化しないので、月の向く方向と地球の方向にズレが生じます。
- ズレを小さくし地球を向くように力が働くため、近地点から遠地点では自転は加速、遠地点から近地点では自転は減速されます。
- このようにして、近地点は公転が速く自転が遅い状態、遠地点は公転が遅く自転が速い状態が保たれ、自転と公転が同期するわけです。
- ズレを小さくしようとする力
- 月はオモテ(地球側)とウラ(反対側)でだいぶ様子が異なる天体であり、形の上での中心(形状中心)と重力の中心(重心)が一致しておりません。
- このような天体は3軸不等の楕円体と同じ効果を持ち、地球の方向と特定の方向がそろうときが安定、そこからのずれが小さくなるように力が働くことになります。
- ただし、この力では自転エネルギーは失われませんので、現在のような自転と公転が同期した状態に至るには潮汐摩擦によって自転が減速する過程が必要になります。
- 楕円軌道では距離が変化するので、地球による月の潮汐変形の度合いも変化します。
- これに伴う潮汐摩擦・潮汐加熱は、楕円軌道を円軌道に近づけるような効果をもたらします。
- 重力的に強く束縛された衛星が円軌道を持つのはそのためです。
関連ページ†
Last-modified: 2022-07-26 (火) 12:40:55