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地平線近くの月は大きい?†
- 地平線近くにある月がいつもより大きいと感じた経験はありませんか?
- 月に限らず、太陽や星座でも地平線近くにあるときは大きく見えると思います。
#ただし、太陽を直視するのはたいへん危険ですのでやめましょう。
- 地平線近くの月は大気による散乱の影響で赤く見えます。「赤くて大きい」がゆえに印象も強くなるようです。
- 実際に大きくなっているわけではありません。
- 写真に写してみれば、地平線付近と南中時で大きさはほとんど変わっていないことがわかります。
- 距離は南中時のほうが月に近いですから、むしろ地平線上の月は若干小さくなります (月の視半径はこよみの計算の、月の高度と方位で調べられます)。
- 大気による屈折の影響も、月が地平線近くにあるときはわずかながら小さくなる方向に働きます。
- これは月の錯視と呼ばれる錯覚によって大きく感じているだけです。
- 原因については古くからさまざまな説が唱えられていますが、それぞれ欠点があり決定打はないようです。
- あるいは複合的なプロセス、フィードバックのかかるプロセスのため、ある1面は説明できても全ての事象を説明できないということかもしれません。
- 英語ですが、わかりやすい動画がThe moon illusion - Andrew Vanden Heuvel (YouTube ) でご覧いただけます。
- 本質的には、網膜に映った像を脳がどう認識するかという問題です。
- どのくらい大きく見えるかには個人差があります。設定条件によっても左右され、なかなか定量的な議論は難しいといえます。
- Murrayらによれば、脳どころか、既に1次視覚皮質 (視覚野) という初期段階において視直径の誤認が生じているようです。
- 議論が尽きておらず完全な説明はありませんが、たとえばこちらをご覧ください。
関連ページ†
Last-modified: 2020-06-12 (金) 20:43:34