暦Wiki
視半径と視直径 (Apparent (semi-)diameter)†
- 太陽は月の400倍くらい大きな天体です。
- しかし、見た目には月も太陽も同じくらいの大きさに見えます。
- これは太陽が月の400倍くらい遠いところにあるからです。
- このおかげで、皆既日食と金環日食の両方が楽しめます。
- この、見た目の大きさを表わすのが視半径や視直径という量です。
- 中心から端までのなす角度を視半径、端から端までのなす角度を視直径といいます。
- 天体の実際の半径をa、天体までの距離をrとすると、視半径sはsin s=a/r、視直径は2sで表わせます。
- 先の例では半径aも距離rも太陽は月の400倍なので、視半径sは同じくらいになる、ということです。
- 一般に距離rはaに対して十分大きいので、視半径sは小さくなり、sin s≒sが成り立ちます。したがって、視半径sは距離rに反比例するといって構いません。
- 赤道方向に膨らんだ天体では、方向により赤道視半径(equatorial)・極視半径(polar)と呼んで区別します。
- 一般に、望遠鏡による観測では距離がわかりません。
- 同じ天体の視半径の変化は距離の変化を表わします。
- たとえ視半径が同じでも、小さな天体が近くにいるのか、大きな天体が遠くにいるのかを区別することはできません。
- 何らかの手段で天体までの距離を知ることができれば、距離と視半径から天体の実際の大きさを知ることができます。
太陽の視半径†
- 太陽の視半径には大きく2種類の値が用いられています (ともに距離が1 auのときの値)。
- 後者の値が太陽の光学的な大きさを表します。
- sin(15' 59.63") = 太陽の半径 / 1 au から、太陽の半径 〜 696000 kmとなります。*2
- 暦象年表Web版では、視半径*として sin (視半径*)=太陽の半径/地心距離 から算出した値も出力します。
- 両者の差 1.55" は光浸 (irradiation) の影響を表します。
- 光浸は背景の空と太陽面の明るさの違いなどにより、実際より大きく観測される効果です。
関連ページ†
Last-modified: 2020-05-27 (水) 17:37:56