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月の出入りは難しい?†
- 太陽については、季節変化はあるものの、日の出は朝、日の入りは夕方と決まっていますので、それほど不思議に思うことはないと思います。
- 一方、月の場合は一見複雑そうに見えます。
- たとえば、2014年1月15日ごろの月の出入りを見てみましょう。1月16日が望 (満月) です。
- 月の入りが月の出よりも早い?
- 満月ごろは夕方に月が出て、翌日の朝に沈みます。
- つまり、この表は16日の17時8分に出た月が17日の6時59分に沈むということを表しています。
- 16日の南中時が"--:--"?
- 月の南中時刻は毎日約50分ずつ遅くなっていきます。
- つまり、この表は月は15日の23時20分に南中した後、それから24時間と約50分を加えた17日の0時6分に南中するということを表しており、16日には月は南中しないということになります。
- このように、時系列に沿って月の動きを考えると理解しやすくなるでしょう。
年月日 | 出 | 南中 | 入り |
2014/01/15 | 16:15 | 23:20 | 5:40 |
2014/01/16 | 17:08 | --:-- | 6:21 |
2014/01/17 | 18:02 | 0:06 | 6:59 |
月の動きを基準にする†
- ところで、月の出入りは太陽があろうがなかろうが起こる、すなわち太陽とは無関係な現象です。
- 月の動きをもとにした1日=月の南中時刻の間隔=平均太陰日を基準にしてみましょう。
- 出入りの時刻を平均太陰日間隔に直すと、このようになります。24平均太陰時=1平均太陰日としています。
- 月は太陽が1年かけて変化する分を約1か月、厳密には公転周期の27.3日で変化しているので、27.3日間の変化が日の出入り1年分の変化に相当します。
- 最初のグラフよりは日の出入りの様子に近づいたものの、出入りのピーク位置がそろっていないなど、まだ奇妙な変化をしているように見えますね。
- ここで、太陽の南中時刻が複雑に変化する様子を思い出してください。
- 月も地球の周りを楕円軌道しており、その軌道面は地球の公転軌道面である黄道面とほぼ同じですから、月の南中時も太陽と同じように複雑に変化します。
- 日の出入りの季節変化を考えたときのように、南中時が変化する分だけ出入りの時刻をずらしてみましょう。
- ようやく出入りのピーク位置がほぼ対称的になります。
- それでもまだ、出入りが早くなるペースと遅くなるペースは違うように見えると思います。
- これは月が1月2日に近地点、1月16日に遠地点を通過しているためで、実際に動く速さが変化しているからです。
- このように考えることでだいぶ見通しはよくなりましたが、このカーブの形も一定ではなく、楕円の向きや黄道面から傾く方向の変動とともに複雑に変化していきます。
関連ページ†
Last-modified: 2015-11-02 (月) 19:03:57