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曜日の名前†

• 曜日の名前と太陽・月・惑星の名前にはよい一致が見られます。
  • ラテン語にはとくによく現れています。
    • たとえば、dies Solis＝Sol (太陽) の日、dies Lunae＝Luna (月) の日など。
  • 日本語の名称も同様で、まとめて七曜といいます。
    • 日＝太陽、月
    • 火＝火星、水＝水星、木＝木星、金＝金星、土＝土星

曜日の伝播†

• 日本には平安時代、弘法大師が宿曜経(すくようきょう)とともに伝えました。
  • 宿曜経には、七曜が日月五星であると書かれています。
    • 各惑星は、歳星・熒惑・鎮星・太白・辰星という名前のほかに、五行説と結びついた木星・火星・土星・金星・水星という名前も持っていました。これがその訳語として用いられることになります。
  • 宿曜経には、七曜名・天体名・胡名(ソグド語)・波斯名(ペルシア語)・天竺名(サンスクリット) の対応表も掲載されています (p.70, 下記)。
    • 日は蜜や密と書かれることもありますが、これはソグド語で日曜日を意味するMīrを音訳したものです。
    • このうち胡名と天竺名についてはやはり曜日の名前と天体の名前が一致しており、つながりがあることがわかります。
    • ただし、波斯名だけは第1〜第7という番号であり、別系統になります。
• いわゆる1週間としてではなく、二十七宿とともに日の吉凶を占うのに用いられました。
  • 日曜日が休日になったのは明治9年4月からのことです。

曜日は神様†

• そのほかの言語でも、曜日の名前と惑星の名前に関連性が見られるものはたくさんあります。
  • しかし、英語のTuesdayとMarsのように、異なるように見えるものもあります。
• 惑星の名は神の名でもありました。
  • 惑星に神の名前をつける習慣はシュメール人に始まり、古代バビロニア→古代ギリシャ→古代ローマと伝わりました。
  • 伝わるたびに、自分たちの神話に出てくる神の名前に置き換えられています。
• 英語やドイツ語の場合、曜日の名前だけ自分たちの神の名前に変換したため、曜日と惑星が分離してしまいました。
  • 戦いの神Mars*1はゲルマン民族の戦いの神Tiu/Ziuに変換され、Tuesday/Dienstagに。
  • 愛の女神Venusは同じく愛の女神であるFreyaに変換され、Friday/Freitagに。
  • Iupiter (Zeus) は最高神ですが、雷を操ることから雷神Thor/Donarに変換され、Thursday/Donnerstagに。
  • Mercuriusは神の中核的存在としてWoden (Odin) に変換され、Wednesdayに。

別系統の名前†

• 一方、これらとはまったく別系統の名前もあります。

安息日に由来するもの†

• ドイツ語の土曜日であるSamstagやフランス語のSamedi・波斯名のšambaは、ユダヤ教の安息日であるヘブライ語のŠabbāth に由来します。
  • スペイン語やポルトガル語のSábado・アラビア語のSabt・ロシア語のсубботаなど、ほかにもたくさんの言語で使われています。
• フランス語の日曜日であるDimancheは、キリスト教の安息日であるDies Dominicus＝Lord's Day (主の日) に由来します。
  • スペイン語やポルトガル語のDomingoなども同様です。
  • ドミニカ島(ドミニカ国)の名称は1943年にコロンブスがたどり着いた日が日曜日だったことに由来するそうです。
• アラビア語の金曜日であるJumʕaは、イスラム教の安息日にモスクに「集まる」ことに由来します。

曜日の順序に由来するもの†

• ヘブライ語・中国語・波斯名のほか、ポルトガル語・アラビア語・ロシア語など、たくさんの言語で使われています。
• 日曜日が1日目となる言語が多いです。
  • Šabbāthに相当する曜日が含まれるものも多く、ヘブライ語と同じ系列と考えられます。
    • 旧約聖書創世記の天地創造に倣い、1日目・2日目・・・7日目＝Šabbāthと数えます (cf. 天地創造説)。
    • 曜日にそれぞれ神様を割り当てるのは多神教の習慣であり、一神教としては許容できない側面があります。
    • 旧約聖書の研究者の間では、ユダヤ人は月の満ち欠けによらない7日周期を独自に生み出していたというのが定説になっているようです。
  • ポルトガル語は日曜日がDomingoにとられているので"1日目"がありません。
  • ロシア語等のスラブ系言語や中国語では月曜日が1日目です。
• ドイツ語の水曜日はMittwoch＝midweek (週の真ん中) に由来します。
  • 週を日曜始まりとすれば水曜日が週の真ん中になります。ただし、現在のドイツでは月曜始まりのカレンダーも普通に使われており、その意味合いは薄れています。
  • スラブ系言語の水曜日、たとえばロシア語のсредаも真ん中を意味します。
    • 月曜が1日目で水曜が真ん中とは不思議な話です。
    • ただ、スラブ系言語の月曜日は厳密には"1日目"ではなく週あるいは日曜の"次の日"という意味合いであることから推測すれば、歴史的には"日曜から何日たったか"によって名前をつけたが、時代とともにそうした意味合いは薄れ、現在では字句どおり単純に月曜始まりと捉えられるようになった可能性は考えられます。
    • 実際、ロシアの古いカレンダーには日曜始まりのものが存在します。
    • 近年では、水曜日は平日(月〜金)の真ん中と捉えることもでき、それほど違和感もないようです。
• フランス共和暦の曜日は10日周期ですが、名称はPrimedi、Duodi、Tridi・・・と、番号に由来します。

関連ページ†

• 要素/1週間とは？
• 要素/1週間とは？/1週間の始まり
• 要素/1週間とは？/安息日
• 要素/1週間とは？/日曜日
• 要素/1週間とは？/曜日の順序
• 要素/1週間とは？/曜日の名前

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*1 Mars Thingsusという説も。->本文(1)に戻る

Last-modified: 2017-11-28 (火) 17:44:42

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