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明治6年暦†
掲載数値について†
- 1太陽年の長さ 365日5時間48分50秒
- 1873年版の英国暦では、365日5時間48分47.46秒(365.242216日)となっています。
- 英国暦はM. Besselによる 365.24222013 - 0.00000006686 * (1800年からの経過年数) をもとにしており、1857年版からこの値が使われています。
二十四節気の時刻†
- 以下の表において、
- 「太陽暦」は明治6年暦に掲載された時刻です。東京における平均太陽時で表記されています。
- 「天保暦」は天保暦で推算した二十四節気の時刻 (京都における視太陽時) から変換したものです。
- 「英国暦」は1873年版の英国暦に掲載された二至二分、あるいは同暦掲載の太陽黄経をもとに算出した二十四節気の時刻 (グリニジ平均天文時) から変換したものです。
- 「現代暦」は天象データベースで算出した二十四節気の時刻から変換したものです。
- なお、グリニジとの時差、京都との時差はそれぞれ9時間19分1秒、16分16秒としています。
節気 | 日付 | 太陽暦 | 天保暦 | 英国暦 | 現代暦 |
小寒 | 01/05 | 14:26 | 14:26 | 14:19 | 14:19 |
大寒 | 01/20 | 7:54 | 7:54 | 7:49 | 7:49 |
立春 | 02/04 | 2:09 | 2:11 | 2:09 | 2:09 |
雨水 | 02/18 | 22:23 | 22:23 | 22:23 | 22:23 |
啓蟄 | 03/05 | 20:44 | 20:44 | 20:48 | 20:48 |
春分 | 03/20 | 22:11 | 22:06 | 22:11 | 22:11 |
清明 | 04/05 | 2:23 | 2:23 | 2:31 | 2:31 |
穀雨 | 04/20 | 10:04 | 10:04 | 10:13 | 10:13 |
立夏 | 05/05 | 20:37 | 20:38 | 20:47 | 20:48 |
小満 | 05/21 | 10:07 | 10:07 | 10:15 | 10:15 |
芒種 | 06/06 | 1:33 | 1:33 | 1:42 | 1:42 |
夏至 | 06/21 | 18:44 | 18:38 | 18:44 | 18:44 |
小暑 | 07/07 | 12:10 | 12:10 | 12:15 | 12:15 |
大暑 | 07/23 | 5:34 | 5:34 | 5:36 | 5:37 |
立秋 | 08/07 | 21:47 | 21:47 | 21:48 | 21:48 |
処暑 | 08/23 | 12:08 | 12:08 | 12:08 | 12:09 |
白露 | 09/08 | 0:03 | 0:03 | 0:00 | 0:00 |
秋分 | 09/23 | 8:54 | 8:55 | 8:54 | 8:54 |
寒露 | 10/08 | 14:46 | 14:46 | 14:41 | 14:42 |
霜降 | 10/23 | 17:18 | 17:18 | 17:15 | 17:15 |
立冬 | 11/07 | 17:03 | 17:03 | 16:56 | 16:57 |
小雪 | 11/22 | 14:04 | 14:04 | 13:59 | 14:00 |
大雪 | 12/07 | 9:14 | 9:14 | 9:07 | 9:08 |
冬至 | 12/22 | 2:51 | 2:56 | 2:51 | 2:51 |
- この表から、立春と二至二分は英国暦から算出し、そのほかは天保暦から算出したものと思われます。
- このようになった理由は定かではありません。
- 朔弦望の時刻など他の情報は英国暦から算出したものですし、翌明治7年暦以後はすべての節気を英国暦から算出しています。したがって、このような扱いはむしろ不自然といえます。当初はすべての節気を載せるつもりがなかったのかもしれません。
- 白露は、太陰太陽暦版の明治六年暦では七月十六日=太陽暦で9月7日です。基準を東京に移したことにより、1日ずれたことになります。また、「英国暦」では7日の23時59分49秒、「現代暦」では8日の0時00分05秒ときわどいことになります。このあたりを気にしたのかもしれません。
- いずれにせよ、突然の改暦による混乱の一つといえるでしょう。
- 「天保暦」と「現代暦」には数分の差が見られます。
- 天保暦と現代暦の太陽黄経には0.005°くらいの違いがあり、これが時刻の差として表われています。
- それに比べて「英国暦」と「現代暦」の差はずっと小さくなっています。ラランデ暦書から100年余りにおける天文学の進歩といったところでしょう。
土用の時刻†
- 二十四節気の時刻と同様のことを土用の時刻についても確かめると、以下の表のようになります。
- こちらはすべて天保暦から算出したものと思われます。
日付 | 太陽暦 | 天保暦 | 英国暦 | 現代暦 |
01/17 | 9:09 | 9:09 | 9:04 | 9:04 |
04/17 | 8:17 | 8:17 | 8:26 | 8:26 |
07/20 | 2:11 | 2:11 | 2:14 | 2:14 |
10/20 | 17:04 | 17:04 | 17:00 | 17:00 |
朔の時刻†
- 二十四節気の時刻と同様のことを朔の時刻についても確かめると、以下の表のようになります。
- こちらはすべて英国暦から算出したものと思われます。
- 上弦・望・下弦の時刻も同様に、英国暦から算出したものと思われます。
日付 | 太陽暦 | 天保暦 | 英国暦 | 現代暦 |
01/29 | 2:46 | 2:44 | 2:46 | 2:46 |
02/27 | 12:41 | 12:41 | 12:41 | 12:42 |
03/28 | 22:13 | 22:14 | 22:13 | 22:14 |
04/27 | 8:01 | 8:04 | 8:01 | 8:01 |
05/26 | 18:39 | 18:41 | 18:39 | 18:39 |
06/25 | 6:31 | 6:33 | 6:31 | 6:32 |
07/24 | 19:53 | 19:54 | 19:53 | 19:53 |
08/23 | 10:49 | 10:50 | 10:49 | 10:50 |
09/22 | 3:10 | 3:09 | 3:10 | 3:10 |
10/21 | 20:14 | 20:12 | 20:14 | 20:14 |
11/20 | 12:56 | 12:51 | 12:56 | 12:56 |
12/20 | 4:08 | 4:04 | 4:08 | 4:09 |
日最卑・日最高†
- 日最卑は地球の近日点通過、日最高は遠日点通過のことを指します。
- これらの時刻はすべて英国暦から算出したものと思われます。
現象 | 日付 | 太陽暦 | 英国暦 | 現代暦 |
最卑 | 01/02 | 5:05 | 5:05 | 5:19 |
最高 | 07/01 | 15:52 | 15:52 | 15:29 |
月最卑・月最高†
- 月最卑は月の最近、月最高は最遠のことを指します。
- 時単位までの掲載であいまいですが、これらの時刻はすべて英国暦から算出したものと思われます。
現象 | 日付 | 太陽暦 | 英国暦 | 現代暦 |
最高 | 01/16 | 11 | 11 | 11:30 |
最卑 | 01/29 | 11 | 11 | 10:57 |
最高 | 02/12 | 12 | 12 | 12:47 |
最卑 | 02/26 | 23 | 23 | 23:27 |
最高 | 03/11 | 17 | 17 | 17:23 |
最卑 | 03/27 | 8 | 8 | 8:07 |
最高 | 04/08 | 8 | 8 | 8:11 |
最卑 | 04/24 | 5 | 5 | 5:06 |
最高 | 05/06 | 3 | 3 | 2:41 |
最卑 | 05/20 | 9 | 9 | 9:16 |
最高 | 06/02 | 21 | 21 | 21:37 |
最卑 | 06/14 | 23 | 23 | 23:27 |
最高 | 06/30 | 15 | 15 | 15:28 |
最卑 | 07/12 | 14 | 14 | 14:49 |
最高 | 07/28 | 6 | 6 | 6:26 |
最卑 | 08/09 | 20 | 20 | 19:48 |
最高 | 08/24 | 14 | 14 | 14:56 |
最卑 | 09/07 | 5 | 5 | 5:34 |
最高 | 09/20 | 17 | 17 | 17:07 |
最卑 | 10/05 | 16 | 16 | 16:08 |
最高 | 10/18 | 1 | 1 | 1:31 |
最卑 | 11/02 | 22 | 22 | 22:50 |
最高 | 11/14 | 18 | 18 | 18:07 |
最卑 | 11/30 | 12 | 12 | 12:20 |
最高 | 12/12 | 15 | 15 | 14:44 |
最卑 | 12/25 | 6 | 6 | 6:45 |
日赤緯・一時差・視半径†
- 日赤緯は太陽の視赤緯、一時差は視赤緯の1時間あたりの変化量、視半径は太陽の視半径です。
- 毎月1日・10日・20日・30日と、二十四節気を含む日の、東京における視正午の値が掲載されています。
- 等間隔ではなく、連続することもあるなど、中途半端な掲載方法です。
- 十を略記していて読みづらいうえ、明らかな誤りが多数見られます。
- 数値はすべて英国暦から算出したものと思われます。
- 明らかな誤りを除けば、せいぜい最後の1桁が1違う程度で一致することが確認できます。
日の出入り†
- 二十四節気を含む日における、東京の日の出と日の入りの時刻が掲載されています。
- 視太陽時、かつ大気差は考慮せず、太陽の中心で定義しています。したがって、春秋分は昼夜等分、その前後で対照的な値となります。
- 緯度が同じなら時刻は変わりません。東京の緯度は35°41′付近、おそらく東京天守台と推定されます。
節気 | 出 | 入り |
冬至 | 7:13 | 16:47 |
小寒/大雪 | 7:10 | 16:50 |
大寒/小雪 | 7:01 | 16:59 |
立春/立冬 | 6:49 | 17:11 |
雨水/霜降 | 6:34 | 17:26 |
啓蟄/寒露 | 6:17 | 17:43 |
春分/秋分 | 6:00 | 18:00 |
清明/白露 | 5:43 | 18:17 |
穀雨/処暑 | 5:26 | 18:34 |
立夏/立秋 | 5:11 | 18:49 |
小満/大暑 | 4:59 | 19:01 |
芒種/小暑 | 4:50 | 19:10 |
夏至 | 4:47 | 19:13 |
日本で見られる日月食†
- 5月12日の皆既月食と11月4-5日の皆既月食の情報が掲載されています。
- 5月12日の皆既月食:京都では2分あまり欠けた状態で月の出となります。
現象 | 日付 | 太陽暦 | 英国暦 | 現代暦 |
食の始め | 05/12 | 18:48 | 18:49 | 18:49 |
食の最大 | 05/12 | 20:38 | 20:39 | 20:39 |
食の終り | 05/12 | 22:28 | 22:29 | 22:29 |
- 11月4-5日の皆既月食
現象 | 日付 | 太陽暦 | 英国暦 | 現代暦 |
食の始め | 11/04 | 23:25 | 23:25 | 23:25 |
食の最大 | 11/05 | 1:10 | 1:10 | 1:10 |
食の終り | 11/05 | 2:55 | 2:54 | 2:55 |
関連ページ†
- 参考文献
- 伊藤節子, 明治改暦後の官暦の数値について (I), 東京天文台報 第15巻, 第1冊, 1969.
Last-modified: 2022-03-10 (木) 20:30:02