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近日点の移動†
- 地球の楕円軌道は他の惑星の影響により、少しずつ向きを変えていきます。
- この現象を近日点の移動といいます。
- 木星が最も大きな影響を与えます。
- 季節の長さ、あるいは各二十四節気間の間隔は冬至や春分と近日点の位置関係によって決まります。
- 現在は冬至 (12月21日ごろ) と近日点 (1月上旬) が近い関係にありますが、この関係は歳差と近日点の移動によって、約21,000年の周期で入れ替わります。
- 歳差が約26,000年周期、近日点の移動が約11万年周期、合成して約21,000年周期となります。
- これとともに、冬至から春分までの時間、春分から夏至までの時間・・・はそれぞれ変化していきます。
- このため、仮にグレゴリオ暦を改良して1年の長さを1太陽年=365.2422日に近づけ、春分の日付をほぼ固定することができても、夏至・冬至・秋分などの日付まで固定するのは不可能です。

- 13世紀のころは冬至と近日点がほぼそろっていました。
- 宣明暦や授時暦では冬至と近日点が同一であると仮定しています。
- 13世紀に作られた授時暦の予測精度が高かったことや、日本で宣明暦がこの前後400年=計800年も使い続けることができた理由のひとつはそこにあります。
- 授時暦で延宝三年の日食を予報できなかったことをふまえ、渋川春海は近日点の移動を採り入れて大和暦 (貞享暦) の予報精度を高めることに成功しました。
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