暦Wiki
十二次†
- 二十八宿や黄道十二宮のように、天体の位置を表わす基準として用います。
- 惑星、とくに歳星=木星の位置を表わすのに用いられ、歳在星紀、歳在大火のように記述します。
- 二十四節気や二十八宿との関係が漢書律暦志に記載されています。
- 黄道十二宮とは違い、二至二分をはじめとする中気は十二次の始点ではなく中央に来るように区分されます。
- 当時の二十四節気は並びや名称が現在と少し異なります。
- 二十八宿の間隔はバラバラですが、十二次はほぼ均等に分かれます。
- 二十八宿を使った定義によれば、二十四節気も赤経の間隔がほぼ一定ということになります。
- 当時使われていた平気法とマッチしておらず、観測すれば矛盾に気づいたことでしょう。
- 二十四節気と二十八宿の関係は歳差により時とともに変動します。
- 牛宿の初度=やぎ座β星の位置が冬至=黄経180°となるのは紀元前450年ごろのことです。
- 漢書でも冬至の太陽は「牽牛の前、四度五分を進退す」とされており、牛宿の初度からずれていることは知られていました。
- 晋書天文志には、前漢の費直や後漢の蔡邕による改訂値も掲載されています。
- まだ歳差も日行盈縮も黄道と赤道の差も知られておらず、過去の経文に従ったということかもしれません。
十二次 | 初度 | 中度 | 十二辰 |
星紀 | 大雪 | 冬至 | 丑 |
玄枵 | 小寒 | 大寒 | 子 |
諏訾 (娵訾) | 立春 | 驚蟄 (今は雨水) | 亥 |
降婁 | 雨水 (今は啓蟄) | 春分 | 戌 |
大梁 | 穀雨 (今は清明) | 清明 (今は穀雨) | 酉 |
実沈 | 立夏 | 小満 | 申 |
鶉首 | 芒種 | 夏至 | 未 |
鶉火 | 小暑 | 大暑 | 午 |
鶉尾 | 立秋 | 処暑 | 巳 |
寿星 | 白露 | 秋分 | 辰 |
大火 | 寒露 | 霜降 | 卯 |
析木 | 立冬 | 小雪 | 寅 |
歳星紀年法†
- 木星の公転周期は約12年ですから、1年に1次ずつ移動していきます。
- 逆に歳在星紀のような記述から年を知ることができます。これを歳星紀年法といいます。
- これがやがて十二辰 (十二支) を用いた紀年法へと変化していきます。
- より厳密な公転周期は11.862年ですので、単純に1次ずつずらしていった記録と実際に観測した記録には次第にズレが出てきます。
- 前漢の劉歆は、144年に1回次をとばす超辰法を導入してズレを説明しました。
- しかし、これもあまり正確なものではなく、後漢に入ると超辰せずに単純に干支を並べていくようになりました。
- これが現在も続く、年の干支です。
関連ページ†
Last-modified: 2021-12-17 (金) 15:12:49