暦Wiki
月食の種類†
- 月は太陽の光を反射して光っていますが、地球の作る影の中に入ると太陽の光がさえぎられ、月が欠けたように見えます。
- 月が地球の半影に入ると半影月食(penumbral)、月が地球の本影に入ると部分月食(partial)、特に月全体が本影に入る場合は皆既月食(total)となります。
- 自分が地球上どこにいても、月が地球の影に入るという事象には何の影響も与えません。したがって、月さえ見えていれば、地球上のどこから見ても同じように月食は進行していきます。
皆既月食の色†
- 皆既月食であっても月は真っ暗にはならず、赤黒い神秘的な色になります。
- これは太陽光が地球の大気によって屈折し、地球を迂回するようにして月にたどり着くからです。
- 日の出入りの定義において、大気の影響により浮き上がって見える効果が35′ほどであったことを思い出してください。
- 35′ほど屈折して地上に届いた光はさらに35′ほど屈折して反対側に進みます。合計すると1°10′ほど曲がったことになります。
- 一方、月から見る地球の大きさ(視半径)は約1°になりますから、たとえ太陽-地球-月が完全に一直線上にあっても、光は地球の縁を経由して月に届くわけです。
- 月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による半影月食時の地球の撮影の成功について (JAXA )
- 月食が起きているとき、月から見れば地球が太陽を隠す=地球による日食が起きています。
- 上記リンク先の写真からも地球の縁が明るくなっている=地球の縁から光が届いていることがわかります。
- また、大気が青い光を散乱しやすいために、日の出や日の入りの太陽が赤く輝くように見えることも思い出しましょう。
- 地球の縁を経由するのはそのような赤い光です。しかも、反対側に進むまでにさらに赤みを増して月にたどり着きます。これが皆既月食の色となるわけです。
- この色は月の高度や大気の状態によっても変わります。過去には大きな火山活動によって火山灰が撒き散らされ、皆既月食中の月がほとんど見えないこともあったようです。
関連ページ†
Last-modified: 2020-05-27 (水) 17:15:22