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恒星時 (Sidereal Time)†
- 恒星時Θとは子午線と春分点方向のなす角度です。
- 春分点に対してどれだけ回転しているか=地球がどういう向きを向いているかを表します。
- 地球の自転に伴い、恒星時は増加します。
- 春分点そのものも歳差・章動により変動しますが、1日における変動量は十分小さいので、ほぼ地球の自転量と考えることもできます。
- 恒星時は時間の単位で測ります。
- 地球の自転スピードはほぼ一定なので、この角度=恒星時は時間に比例します。
- 地球は1日で約1回転=360°、1時間で約15°回転しますから、恒星時も1日で約1回転=360°、1時間で約15°回転します。
- つまり、角度を15で割ると、1日だいたい24ずつ一定のペースで増加する、すなわち時間と同様に扱うことができるわけです。
- 春分点が子午線を通過するときが恒星時=0時です。
- 地球が公転により動いた分だけ、春分点の方が太陽よりも先に24時を迎えます=恒星時は太陽時よりも速く進みます。
- 世界時0時における恒星時をΘ0とすると、世界時UTにおける恒星時ΘはΘ=Θ0+1.0027379 UTと書けます。
- 本初子午線を基準とした恒星時をグリニジ恒星時、任意の子午線を基準とした恒星時を地方恒星時といいます。
- 地方恒星時=グリニジ恒星時+経度λです。
- ある地点で春分点が子午線を通過したとき、地方恒星時=0時ですから、そのときのグリニジ恒星時がわかれば経度がわかることになります。
- 春分点に何か目印があるわけではありませんから、実際には恒星の子午線通過を観測します。
恒星時と歳差・章動†
- 地球の自転軸の向きが空間に対して固定されていれば、どの恒星の子午線通過でも恒星時を測ることができますが、実際には歳差・章動によって自転軸の向きは変動するため、これらを考慮する必要があります。
- 特定の恒星でなく、春分点を基準にするのはそのためです。
- 平均春分点を基準としたものを平均恒星時、真春分点を基準としたものを視恒星時と呼びます。
- 視恒星時から平均恒星時を引いたものを分点均差と呼びます。分点均差は赤経における章動を表わしています。
関連ページ†
Last-modified: 2020-05-27 (水) 17:26:22