暦Wiki
季節のめぐる周期†
太陽年と恒星年†
- 自転軸が変化しなければ、地球が軌道を1周して同じ場所に戻ってくると、自転軸と太陽の関係は元に戻るはずです。
- このような、自転軸の変化を考慮せず、地球が公転軌道を一回りする周期を1恒星年といいます。
- 楕円運動する天体の周期としてはこちらが使われます。
- しかし、実際には地球が公転する間にも、自転軸は歳差によって少しずつ向きを変えていきます。
- このため、地球が公転軌道を一回りするよりも早く、自転軸と太陽の関係=季節は元に戻るのです。
- この、歳差によって変動する自転軸と太陽の位置関係で決めた公転周期を1太陽年 (回帰年) といいます。
- 季節のめぐりを表す、いわゆる1年とは1太陽年のことであり、暦面上の1年はこれを近似したものです。
- その他の周期
太陽年・恒星年の長さ†
太陽年と二至二分の間隔†
- 直観的には、春分・秋分・夏至・冬至といった二至二分の時刻を毎年測定すれば、それぞれの間隔から太陽年の長さがわかるように思えます。
- 歳差を見出したヒッパルコスは、二至二分の観測から、1太陽年の長さを365.25日より1/300日短いと見積もっていました。
- 回帰年は英語ではtropical yearと呼ばれます。
- これはギリシャ語のτροπήに由来し、太陽の南北への動きが「向きを変える」ことを意味します。
- 地球上で太陽が頭上にくる限界線は北回帰線 (Tropic of Cancer)、南回帰線 (Tropic of Capricorn) と呼んでいますね。
- これは、太陽の黄経がそれぞれ90°=夏至、270°=冬至となることに由来しています。
- しかし、実際に観測される二至二分の時刻から求めた間隔には、観測誤差以外にも極めて大きなばらつきがあります。
- どんなに精度良く観測できても、惑星・月・章動の影響によるばらつきが大きく、平均はなかなか安定しません。
- どんなに長期間にわたって平均しても、結果は1太陽年そのものにはならず、楕円軌道の影響分だけずれたものとなります。
- 単純に観測値の平均を求めるだけでは、秒単位以上の精度で値を得ることは難しいでしょう。
太陽年・恒星年の定義†
関連ページ†
Last-modified: 2022-07-06 (水) 14:07:25