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水星日面経過 (Transit of Mercury)†
- 水星は小さいので金星ほどのインパクトはないでしょう。
- 日食グラスでは見えず、投影版など専用の器具が必要になります。
- かわりに、それなりの頻度で起こります。
- 日面経過が起こるのは水星が内合を迎えるときです。
- しかし、水星の軌道面は地球の軌道面=黄道面に対して7°ほど傾いているので、内合のたびに起こるわけではありません。
- 日食と同様に、内合が昇(降)交点付近で起こることが日面経過の条件となります。
- 地球が水星の昇交点付近を通過するのは11月上旬ごろ、降交点付近を通過するのは5月上旬ごろですので、水星日面経過が起こるのもこのころに限られます。
- 水星と地球の会合周期は115.9日です。つまり水星の内合は約116日間隔で起こります。
- この会合周期の41倍はおよそ13年の日数に近いので、13年後にはほぼ同じ位置で会合します。
- 会合周期×41=4751.0日
- 地球の公転周期×13=4748.3日
- 水星の公転周期×54=4750.3日
- このため、1回起こると13年後にもう1回起こる可能性があります。
- 水星の公転周期×54の方が大きいので、13年後は前回よりも先の位置で会合します。
- したがって、降交点側では南のほうへ、昇交点側では北のほうへと通り過ぎる位置がずれていきます。
- ここで、水星の軌道は離心率0.2もの楕円であり、近日点は昇交点側、遠日点は降交点側にあります。
- 昇交点側では水星は速く、前回の会合位置からのズレが少なくなります。
- 降交点側では水星は遅く、前回の会合位置からのズレが大きくなります。
- このため、13年周期は、昇交点側は4回続きますが、降交点側は2回だけになります。
- 水星の場合はもうひとつ手ごろな周期があります。
- 会合周期の145倍はおよそ46年の日数に近いので、46年後にはほぼ同じ位置で会合します。
- 会合周期×145=16802.2日
- 地球の公転周期×46=16801.8日
- 水星の公転周期×191=16802.1日
- このため、1回起こると46年後にもう1回起こる可能性があります。
- 水星の公転周期×191の方が大きいので、会合位置はやはり先のほうへ移動します。
- そのずれは13年周期よりも小さなものです。
- 13年周期と46年周期により、当面起こる水星日面経過は以下の図のようになります。
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Last-modified: 2020-05-27 (水) 20:56:43