暦Wiki
緯度と経度†
- 地球上の位置は緯度と経度で表わすことができます。
- 緯度(latitude):赤道を基準に、南北に測ります。
- 経度(longitude):本初子午線を基準に、赤道に沿って東西に測ります。
- 子午線はその地点の天頂と南北とを結ぶ線です。
- 東へ180°までは東経、西へ180°までは西経と呼びます。
- 単位
- 角度の単位°を使います。1周=360°、1°=60′、1′=60″です。
- 経度については時間の単位を使うこともあります。
- 地球は1周約40,000kmですので*1、1°≒110km、1′≒1,850m〜1海里(nautical mile)となります。
地球の形:地心緯度と地理緯度†
- 地球は完全な球ではなく、北極方向よりも赤道方向が長い回転楕円体の形状をしています。
- 赤道方向の半径を赤道半径、極方向の半径を極半径といいます。
- 両者の差を赤道半径との比で表わしたものを扁平率といいます。すなわち、扁平率=(赤道半径−極半径)÷赤道半径です。
- 地表面=その地点で楕円体に接する面から垂直に線をおろしても地心には到達しません。
- この線と赤道面のなす角を地理緯度(geographic latitude)、その地点と地心を結ぶ線が赤道面となす角を地心緯度(geocentric latitude)といいます。
- いわゆる緯度とは地理緯度のことであり、天の北極の高度も地理緯度に一致します。このことから、江戸時代の書物では北極出地度数という表現もよく使われます。
重力の方向:天文経緯度と測地経緯度†
- 一般に、望遠鏡を用いた観測においては、おもりや気泡管・水銀皿などを使って鉛直方向=重力の引っ張る方向を基準にとります。
- しかし、この方向と、地理緯度で説明したような地表面から垂直に線をおろした方向とにはわずかな違い、すなわち鉛直線偏差(deflection of the vertical)が存在します。
- 鉛直方向を基準に天体の観測によって求めた緯度と経度をそれぞれ天文緯度と天文経度、あわせて天文経緯度(astronomical coordinates)といい、楕円体を基準に定めた緯度と経度をそれぞれ測地緯度と測地経度、あわせて測地経緯度(geodetic coordinates)といいます。
- 現代ではGPSなどの宇宙測地技術を用いて、簡単に世界基準の測地経緯度を得ることができます。いわゆる世界測地系の経緯度です。
- GPSが登場する前は、三角測量などによって経緯度を測っていました。
- 三角測量は距離が長くなるほど誤差も大きくなりますし、海もありますので、世界中を三角測量でつなぐことは困難です。
- そこで、国や地域ごとに、基準となる点 (たとえば日本経緯度原点) は天体の観測によって経緯度を測定、得られた天文経緯度からそれぞればらばらに楕円体を設定していました。これが日本測地系やOSGB36といったローカルな測地系となります。
- この結果、ローカルな測地系の経緯度は、測地経緯度とはいっても鉛直線偏差の影響を受けていることになります。
関連ページ†
Last-modified: 2022-12-12 (月) 11:58:45