暦Wiki
明治以降の頒暦†
- 制定と公布の違いのため、資料により多少日付が異なる場合があります。ご注意ください。
- 頒暦=暦の頒布は *1、
- 当初は朝廷内で使われるだけのものだった。
- 暦が版刻され、一般市民にも普及するようになったのは鎌倉時代以後のことらしい。
- 暦の需要が高まるにつれ、各地に暦を刷って版行する暦師が登場。
- 一方で、朝廷の力は衰えつつあり、各地の暦の間に相違が見られるようになった。
- 貞享元年 (1684) 渋川春海の活躍で貞享の改暦が成功すると、暦の内容は統一され、許可された暦師や暦問屋だけが暦を版行できるようになった。
弘暦者 → 頒暦商社†
- 明治元年07月09日 頒暦も土御門家が取り仕切ることになった (国立国会図書館 )。
- 冥加銭を納入した頒暦者=弘暦者にのみ、土御門家から暦本が渡される。
- 明治02年08月29日 東京府弘暦者 (暦問屋) も土御門家の支配下に入ることになった。
- 明治02年07月02日 東京府弘暦者についても冥加金を課す (国立国会図書館 )。
- 明治02年08月29日 当面は土御門家に任せるが、いずれは大学に1局作るつもり (国立国会図書館 )。
- 江戸時代には天文方から直接原稿を受け取っていた東京府弘暦者の扱いについて、土御門家・東京府・東京府弘暦者・政府の間で議論。
- 弘暦者は暦の販売を独占できる代わりに冥加金を支払うことになっていた。この冥加金の行方が絡んだ議論といえる。
- 明治02年10月29日 東京府町触 弘暦者以外は頒暦禁止 (国立国会図書館 )
- 明治03年04月22日 布告 弘暦者以外は頒暦禁止 (国立国会図書館 )
- 明治03年06月 地方の弘暦者はどうすれば?→土御門家に認められた者はOK (国立国会図書館 )
- 明治03年08月 弘暦者の販売担当区域を決める。
- 明治03年08月14日 林六九蔵・平塚使部を弘暦掛頭取に (国立国会図書館 )
- 明治03年11月 京都星学局出張所廃止のため、頒暦関係の庶務は弘暦者の降谷明晴・菊澤藤造にあたらせる (国立国会図書館 )
- 弘暦者による暦専売をめぐって
- 明治04年02月10日 弘暦者独占では弊害、大学から府県庁に売り渡しては? (国立国会図書館 )
- 明治04年03月 規則の必要性を認識
- 明治04年04月23日 頒暦売払税 (冥加金) について (国立国会図書館 )
- 明治04年5月〜6月 頒暦規則について議論 (国立国会図書館 )
- 明治04年07月05日 追って頒暦規則を定めるものの今年はこれまでどおりと通達 (国立国会図書館 )。
- 明治05年03月22日 弘暦者降谷明晴ら頒暦商社設立 (国立国会図書館 )
明治改暦とその後始末†
- 明治05年11月09日 改暦の布告 (国立国会図書館 )
- 明治05年11月26日 第361号布告 明治6年に限り、弘暦者以外の略暦出版を許可 (国立国会図書館 )
- 明治05年11月26日 第362号達 略暦の検査は地方官が行なう (国立国会図書館 )
- 明治06年01月18日 第20号布告 ここでいう略暦とは一枚刷りの暦のことで、略本暦とは異なる (国立国会図書館 )。
- 突然の改暦のため、許可を得れば誰でも略暦を刊行できるようにした。
- 一方、頒暦商社は既に天保暦にもとづく明治六年暦を刊行しており、大損害。
- 各種書類
- 明治06年01月12日 弘暦者に向こう3年間の弘暦独占を許可 (国立国会図書館 )
- 明治06年02月10日 頒暦規則制定 (国立国会図書館 )
- 明治06年02月申し立て (国立公文書館 )
- 明治06年03月12日 頒暦規則改定 (国立国会図書館 )
- 当初案では新規参入を認める書きぶりだったが、その前に3年間の専売を約束していたので修正。上納金についても削除。ただし、明治9年暦以後は自由化を明記。
- 略暦であっても暦局の検印 (国立国会図書館 ) が必要
- 明治07年からは太陰暦は記載しない。
- 明治06年12月15日 略暦は検印不要 (国立国会図書館 )
- 略暦については、原稿のみを検査して検印、あとは紙面に何年何月何日免許と印刻すればよい。弘暦者以外でも発売可に。
- 暦専売をめぐって (国立国会図書館 )
- 明治07年07月02日 頒暦規則にのっとり、明治9年暦は願い出たものに暦刊行を許可する。
- 明治08年02月27日 明治9年暦は弘暦者が専売、明治9年以後は願い出たものに許可する。
- 明治08年11月08日 弘暦者より東京府に嘆願書、09日 東京府から内務省に上申。15日 内務省より伺い
- 明治08年12月15日 上記指令を取り消し、弘暦者にさらに5年間 (明治10年暦から明治14年暦) 専売を許可 (国立国会図書館 )。
- 太陽暦刊行時にこうむった損失補填のため明治9年暦まで弘暦者に専売を許可、冥加金も免除していた。
- が、その後も太陽暦の売れ行きが鈍くて損失を取り戻せず、更に5年延長することになった。
- 明治09年01月12日 弘暦者の対応を図書寮で行なうことに (国立国会図書館 )
- 明治09年01月28日 頒暦規則中准刻に関する事務を内務省へ (国立国会図書館 )
- 略暦の販売をめぐって
- 明治09年05月15日 一枚刷りの暦=略暦専売も狙ったが不許可 (国立国会図書館 )
- 明治09年10月17日 内務省甲第39号布達 ただ、あまりにもひどいのが出てきたので、印紙を要件にした (国立国会図書館 )。
- 明治11年10月26日 編暦掛が検査を担当、出版掛は事務処理のみ (国立国会図書館 )
- 明治13年04月19日 本暦・略本暦・略暦の区分について (国立国会図書館 )
- 明治10年までは略本暦を略暦と呼んでおり、略本暦・略暦の区分があいまいだった。
- 明治14年06月28日 5年の期間を過ぎたものの、明治15年暦もそれまでどおり頒暦商社の専売で (国立国会図書館 )。
神宮司庁 → 神宮神部署†
- 明治13年10月04日 神宮司庁より頒暦事務委任を願うが不許可 (国立国会図書館 )
- 明治15年04月26日 第8号達 本暦・略本暦は伊勢神宮で頒布、一枚刷りの略暦は出版条例に準拠して自由に販売可能に (国立国会図書館 )
- 頒暦証 (印紙) はこの時点で廃止。
- これにより明治16年暦から伊勢神宮が頒暦担当になるが、実際には16・17年暦は頒暦商社→頒暦林組 (組長 林立守) が請け負っていた。
- 明治17年05月01日 略本暦まがいの一枚刷り略暦は販売禁止 (国立国会図書館 )
- 東京天文台とのやり取り
- 明治23年10月31日 文部省令第2号 略暦の記載内容について (国立国会図書館 )
- 明治33年09月26日 勅令第374号 神部署設置 (施行は明治33年10月15日) (国立国会図書館 )
- 明治45年04月20日 勅令第85号 神部署が神宮神部署に改称 (施行は大正元年9月1日) (国立国会図書館 )
- 戦時下の出版体制 (国立国会図書館 )
- 頒暦自由化へ
- 昭和20年12月15日 国家神道、神社神道ニ対スル政府ノ保証、支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ関スル件 (文部科学省 )
- 昭和21年07月31日 内務省令第32号 頒暦は自由化 (国立公文書館 )
関連ページ†
狭義では具中暦を書き写して貴族や諸国に配った暦や、仮名暦を指して頒暦と呼ぶこともある。->
本文(1)に戻る
Last-modified: 2014-01-27 (月) 15:23:16